LはリミットのL

ワンダーゾーン 福本博文 文藝春秋 ISBN:4163578900 \1619

 売りたい本、売れてうれしい本にもいくつか種類がありまして、例えば自分が読んで心底衝撃を受けた本とか感動した本とかくだらねーと思った本とかは、まあ、売れてうれしい本の筆頭でしょう。
 あるいは、高額本というのもありますよね。
 最近なら、澁澤龍彦責任編集の幻の雑誌『血と薔薇―全3号復原』(白順社/\11,000/ISBN:4834400751)とかね。まあ、いろいろ物議をかもしてる“復原”ではありますが――澁澤が責任編集したのはたしかに全3号だが、平岡正明らが編集した第4号も存在し、それをはずした意図はどこにあるのか? とか。
 それはさておき、もうひとつ売れてうれしい本てのがありまして、これは全書店員共通の思いかもしれませんが、返品期限切れの本(買いきり本も含む)、これっす。
 とくに、事故返品(一定の手続きを踏んで、本来返せない本を返す)がきかない大手出版社の返品期限切れ本。
 で、大手出版社で返品期限を設けた本を多数出してるとこっていうと、文藝春秋がまっさきに思いうかぶわけで、『ワンダーゾーン』もそのうちの一冊なわけです。はあ、売れてよかった。残り3冊がんばろう。潜入ルポものとしても楽しめるし、企業とオカルトの深い結びつきも知らないで読むと衝撃です。スジャー○なんて、めちゃ金かけて怪しげな研究してるしな。売れるよ!
 でも、もうすぐ文庫落ちするんじゃないかなあ。はあぁぁ。