密室から方言

 先日読んだ『全日本食の方言地図』が、ぼくの考えを変えたのかも。
 実は今まで風俗というものにあまり興味がなかった。
 風俗街には興味はあったんですが……たとえば、飛田とか雄琴とか、町並みに興味をひかれる場所はあったんですよね。(旧)赤線・青線地帯という言葉に魅かれたりもしました。
 しかし結局、風俗もオナニーも同じもんだと思うし、オナニーにそんなに金かけてどうすんの?という気もなきにしもあらず。自分のセックス・ファンタジーにしっくりきそうな風俗店を探すのも面倒くさそうですし。
 ま、一種の冒険として、行ったことはあるんですが、また行こう!という気にはならなかったんですよね。ずいぶん昔の話だ。
 が、しかし、いまちょっと風俗に対する見方が変わったかも。
 食に方言があるように、性にも方言があるのか? ということが妙に気になっているのでした。(笑)性器の呼び方の方言はいろいろありますが、行為自体にも方言と呼べるものはあるのか否か。
 その疑問に答えてくれそうな本といえば平口広美の『フーゾク魂』(イーストプレス/ISBN:4872571363)しかあるまい。というわけでさっそく購入して読んでみてわかりました。日本の風俗はものすごく細分化されてるわりには、やってることは均一化してるってことが。方言の入り込む余地はほとんどなさそう。世界の中の日本という位置づけなら、日本という国の風俗は立派に方言といえそうですが。
 これが個人レベルのセックスになると調べようがないんですが、どっかにそういうの調べた民俗学者とかいらっしゃらないでしょうか。柏木ハルコなら色々調べてそうだけど。
 うーん、昔の夜這いが方言にあたるのか。
 地方に行くと、駐車スペースのすぐ上に部屋があるラブホは珍しくないけど、都市部だとほとんど見かけない。地代が安いと部屋も勢い広くなるとか。これもまあセックスにまつわる方言といえなくもないか。
 もうちょっと調べてみようっと。

 
 しかしまあ、なんですなあ。正直言って、まったくの初対面の人とするセックスは苦手です。はい。