大きな栗の木の下あなたと私、汚れた雨を避けながら踊り明かそう

おおきな木 シェル・シルヴァスタイン 篠崎書林 ISBN:4784101489 \1,107
 「一読しただけでは、この本は、単なるGiveしまくり、Takeされまくりの哀れな木と身勝手な男の物語、あるいは木の無償の愛の物語にしか読めませんが、何度か読んでいるうちに、これはGive&Takeの物語だと思える瞬間が必ずきます。じゃなかったら、何十年にも渡って売れ続けるわけないじゃないですか」
 というわけで、原題『GIVING TREE』シルヴァスタインの定番絵本、不朽の名著が売れました。
 いやほんと、一読しただけではとうていこれがGive&Takeの物語だとは思えなかったですね。
 まあ、あんまり書くとネタばれになるので書きませんが、シルヴァスタインは、孤独というものを身にしみて感じることができる人だったんだなあ、と強く思いますね。「たとえ誰からも必要とされなくとも、それは絶望する理由にはならない」という強い覚悟があったのかもしれませんし、なかったかもしれません。
 生きる上で、誰かを必要とし誰かから必要とされることに価値を見出した人は、必ずその前に孤独を見、そこに大きな価値を見出した人なのかも。
 なんてことを色々考えさせてくれる、なかなかに深い絵本が売れて、ぼくとお客さんの間にも、少しGive&Takeな関係が持てたってことでしょうか。